“本物に嘘は無い”。私がフォーラムの講演や大学の講義でよく口にする言葉だ。これをホテルのフィールドに置き換えると“一流のホテルに嘘は無い”と言うことができる。　
　その国、その都市を代表する名門と言われるホテルは、永く培ってきたその土地の風土、歴史、文化、芸術を具現化している。凛とした制服のドアマンに案内され館内に入ると、そこに広がるエントランスホールの眩い空間に思わず魅入ってしまう。ホテルは文化そのものであり、連綿とした歴史を背景に持った総合芸術を担う存在でもある。
　多様な文化を受け継いできた欧米の名門と呼ばれるホテルは華やかな社交の場でもある。ホテルを楽しむ文化がまだ浅い日本とは違い、それらのホテルが持つ圧倒的存在感に一瞬戸惑うかも知れない。一度でも一流と言われるホテルに滞在すれば、各国のセレブリティ―の生活観、文化・芸術の享受の仕方、さり気ないチップの受け渡しなど、スマートな立ち振る舞いが身に付き、その体験から得るものは必ずや貴重な財産となるはずだ。さあ、ドアが開かれ非日常の世界がこれから始まる。ホテルはゲストを主人公にする舞台装置とも言えよう。

小原 康裕
 国際ホテルジャーナリスト
 

慶応義塾大学法学部法律学科卒
世界最大手再保険会社ドイツMunich Re 入社
投資顧問会社原健代表取締役CEO
JHRCA日本ホテルレストランコンサルタント協会 専務理事
JARC宿泊施設関連協会 アドバイザリーボードメンバー
SKAL International Tokyo, Professionnels du Tourisme 会員
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Yasuhiro Obara

International Hotel Journalist
 
Graduated from Keio Univ, Faculty of Law
Joined the world leader of Reinsurance industry, Munich Re in Germany
Investment company, Haraken & Co.,Ltd CEO
Senior Managing Director of JHRCA, Japan Hotel and Restaurant Consultant Association
Advisory Board Member of JARC, Japan Accommodation Related Consortium
Member of SKAL International Tokyo, Professionnels du Tourisme
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