国際ホテルジャーナリスト 小原康裕が訪れる世界のリーディングホテル

Hôtel de Crillon

 
      コンコルド広場に面した宮殿ホテル。

ここはルイ16世とマリー・アントワネットの夢の跡。

 
パリの中心部、コンコルド広場にパリ屈指の名門ホテル「ホテル・ド・クリヨン」が2013年から2億ユーロ(約270億円)と4年間を費やした大リノベーションを完了し、昨年7月5日にオープンした。建物は1750年代に建設され約260年の歴史を誇り、パリ市の重要文化財にも指定されている。ホテル創業は1909年。1919年には国際連盟設立に向けた最初の準備会議が開催された貴重な歴史的建造物である。豪壮なコンコルド広場に面した宮殿ホテルであり、過去には世界中のVIPが宿泊している。マネージメントはRosewood Hotels & Resortsで、正式名称は “ホテル・ド・クリヨン・ア・ローズウッド・ホテル”「Hôtel de Crillon, A Rosewood Hotel」となる。


 
クリヨンはルイ16世とマリー・アントワネットの夢の跡。今回の改装にあたっては歴史の重みとアーバンコンテンポラリーなデザインがほどよく調和している。そこには大いなる影響をもたらした3人の著名インテリア・デザイナーの存在がある。Tristan Auer、Chahan Minassian、Cyril Vergniolの3デザイナーで、総指揮をしたのは著名なアート・ディレクターの アリーヌ・アスマー・ダマンである。また、ゲスト・デザイナーには、カール・ラガーフェルドが迎えられた。どの部屋もベッドリネンなどには最高級の素材が用いられ、バスアメニティーにはビュリー “Buly1803” が並べられるなど最高の気遣いだ。


 
クリヨンは78の一般客室に36のスイート、そして10のシグネチャー・スイートを擁して再び華麗な姿で蘇った。今回はシグネチャー・スイートの「Suite Bernstein」を紹介したい。クリヨンを愛した著名な音楽家レナード・バーンスタインの名を冠したペントハウススイートで、コンコルド広場に面したテラスからエッフェル塔も望める。新設されたガストロノミー・レストラン 「L’Ecrin」は、ヘッドシェフChristopher Hache率いる気品あるフレンチ・クイジーヌだ。これまでのメインダイニング「Les Ambassadeurs」はバー&ラウンジとしてその名を引き継いでいる。


MOFの称号を誇るパティシエ、Jérôme Chaucesseのスイーツが楽しめるラウンジ “ジャルダン・ディヴェール”「Jardin d’Hiver」

これまでのメインダイニング「Les Ambassadeurs」は、バー&ラウンジとしてその名を引き継いでいる

夜間はライトアップされ、壮麗な正面ファサードが浮かび上がる

「マリー・アントワネットの間」のテラスから見上げる荘厳な天井装飾

豪壮な雰囲気の “鷲の間”「Salon Aigles」

バー&ラウンジ「Les Ambassadeurs」のバーカウンター

パリでも屈指の美しさを誇るコートヤード

新設されたガストロノミー・レストラン “レクラン”「L’Ecrin」。ヘッドシェフChristopher Hache率いる気品あるフレンチ・クイジーヌだ

名ソムリエのXavier Thuizatらが最高の料理を盛り上げる

シグネチャー・スイート「Suite Bernstein」のリビングルーム。
  クリヨンを愛した著名な音楽家レナード・バーンスタインの名を冠した スイートだ

シグネチャー・スイート「Suite Bernstein」のベッドルーム

スパ施設「SENSE, A Rosewood Spa」にあるゴージャスなスイミングプール。   水着で寛ぐサロンといった趣である