ローズウッド香港「Rosewood Hong Kong」は2019年3月17日、香港のヴィクトリア・ハーバーを見下ろす九龍半島・尖沙咀のウオーターフロントにオープンした。世界中にネットワークを広げる「Rosewood Hotels & Resorts」の旗艦ホテルである。香港出身のCEOソニア・チェン女史にとって九龍は特別な場所であり、その情熱が世界でも屈指のホテルを造り上げた。彼女はハーバード大学卒で3児の母、コングロマリット「New World Development」を率いるチェン一族の三代目である。ローズウッド香港の立地するエリアは1910年にホルツ&ワーフ社が所有する埠頭としてその歴史をスタートした。この地区の開発は新世界発展が担い、隣接する65階建ての複合施設ビル「ビクトリア・ドックサイド」はローズウッドが運営し、Kohn Pedersen Fox Associatesが設計を担当している。
ローズウッド香港の館内にはオーナー一族が所有する美術館並みのアートが至るところに惜しみなく飾られ、エルメスやロロ・ピアーナのファブリックがさりげなく壁紙として使われファッション性も感じられる。約40年前にダラスでキャロライン・ローズ・ハント女史が “Rosewood” ブランドとして立ち上げた「Mansion on Turtle Creek」に敬意を表し、さらにニューヨーク在住のトニー・チーのクリエーティブなタッチによってデザイン性に磨きがかかった。ローズウッド香港のクオリティーの高さは、特にエグゼクティブラウンジの「Manor Club」に反映されている。いわゆるRitz-Carltonなどでお馴染みのクラブラウンジだが、ハード、ソフト面で比較にならない程ゴージャスな雰囲気だ。
今回はヴィクトリア・ハーバーを望む気品あるスイート「Harbour Corner Suite」をご紹介したい。123㎡を有するコーナースイートで、香港島の圧倒的景観を独り占めする極上空間だ。ローズウッド香港は多彩なレストランを展開しており、スタイリッシュで正統派の広東料理「The Legacy House」、チョコレートとシガー、カクテルが充実したシックなバー「Dark Side」、コンテンポラリーな「Holt’s Café」など食に飽きることはない。またスパ施設「Asaya Spa」はバリムードのトリートメントルームや香港島を望むオープンエアのスイミングプールなどきめ細かい質感が心地よい。
ローズウッドのリムジン艦隊も健在で、往路はロゴマークの入った最新型の「Range Rover」。復路はお馴染みの「Jaguar XJ」という、クルマ好きにはたまらない送迎もリクエストできる。香港九龍サイドにはPeninsula、InterContinental(旧Regent)、Ritz-Carltonなど競合ホテルが目白押しだが、最新鋭ローズウッド香港のホスピタリティーにゲストは必ずや満足すると思う。