国際ホテルジャーナリスト 小原康裕が訪れる世界のリーディングホテル

Amandari 

 

アマンダリとはサンスクリット語で“平和な精神”という意味で、
その名の通り、訪れるゲストに癒しと極上の寛ぎの時間を提供している。

 
 バリ島にはアマンリゾートが3軒ある。ヌサドアの「Amanusa」、バリナ・ビーチの「Amankila」、そしてウブドにある「Amandari」である。アマンダリはバリ島で初のアマンリゾートとして1989年に誕生した。ウブドの中心地から車で約10分、周囲の鬱蒼とした密林、眼下から届く清流のせせらぎなど、渓谷を見下ろすクデワタン村のロケーションを見出だしたアマンダリはまさに先見の明といえる。アマンの名を知らしめた伝説のリゾートは、世界中の富裕層たちが望むスピリチュアルな地としてウブドを目指すようになる。この地はフォーシーズンズリゾート アット サヤン(本誌Vol. 217)やロイヤル ピタ マハ(次回掲載予定)など代表的なラグジュアリーホテルがアユン渓谷沿いの景勝地に展開する先駆けとなった。
 

 
 アマンダリとはサンスクリット語で“平和な精神”という意味で、その名の通り、訪れるゲストに癒しと極上の寛ぎの時間を提供している。リゾートの敷地はウブドの村をそのまま模した形でデザインされていて、その小道にはウブドの村人たちが行き交う様子もうかがえる。建物の配置はバリ・ヒンドゥーの宇宙観に従い、方角や形状などが考慮される伝統的な村落を参考にアマンダリはデザインされた。


 
 ココナッツの柱が並び、フロアを覆うジャワの大理石や火山岩など、はちみつ色のトーンでまとめられたオープンエアのエントランスは、ワンティラン(地元の集会場)のようだ。今回は「Valley Suite 」カテゴリーのスイートをご紹介したい。アユン川渓谷と緑あふれる水田の眺めを望む独立したヴァレー・スイートは専用テラスを含め広さ220㎡の敷地を持ち、熱帯の樹林に囲まれた緑あふれる佇まいだ。メインダイニングはプールとアユン渓谷を見渡すオープンエアの気持ちの良いレストランで、ガムランの演奏が毎晩行なわれている。曲がりくねった小道がガーデンから優雅なライブラリー、そしてスパ施設「Aman Spa」がある静かな蓮池の畔へと続いている。水に囲まれた静かなこの隠れ家には、オープンエアのバレ、ビューティールーム、サウナ、大理石のスチームルームが完備されている。
 


 
 アマンダリの敷地内は、川の石を敷き詰めた趣ある小径に沿って、両脇に苔むした石塀に囲まれ、伝統的なアランアランの葉で葺いた屋根の建物30棟のスイートが並んでいる。そのまま進むと、渓谷へと流れ落ちるようなデザインのプールへ。エメラルド色のタイルが周囲に溶け込んで、まるで絵画のようだ。ここは安息と癒やしを希求する大人の贅沢なハイダウェイと言えよう。


いかにもアマンダリらしい風情の案内板

笑顔でゲストを出迎えるアマンダリ「Amandari」のレセプションスタッフ

ココナッツの柱が並び、フロアを覆うジャワの大理石や火山岩など、はちみつ色のトーンでまとめられたオープンエアの回廊

伝統的なアランアランの葉で葺いたラウンジ(日本で言う萱葺き屋根)

アマンダリの中心にラウンジは位置し、プールを望みゆったりと時間が流れる

メインダイニングはプールとアユン渓谷を見渡すオープンエアの気持ちの良いレストランで、ガムランの演奏が毎晩行なわれている

ワンティラン(地元の集会場)のような意味合いを持たせた、オールデイダイニングのラウンジ

大人の雰囲気のライブラリーラウンジ

フロアを覆うジャワの大理石と木の天井材、そして伝統的なジャワの建具などが調和した本館廊下

曲がりくねった小道がスパ施設「Aman Spa」がある静かな蓮池の畔へと続いている

水に囲まれた静かなオープンエアのトリートメント・バレ。この隠れ家にはビューティールーム、サウナ、スチームルームが完備されている

伝統的なアランアランの葉で葺いた屋根の玄関がゲストを迎える

シッティングエリアからキングベッド方向を望む

ヴァレー・スイート敷地内には坪庭風のテラスがあり落ち着く

大型のデッキチェアが置かれた専用テラスからバリ島ウブドのスピリチュアルな空気を味わえる