ホテル デュ パレ「Hôtel du Palais」は、皇帝ナポレオン3世が皇后ウジェニーのために建てた宮殿をホテルとして改修したものである。ホテル デュ パレのオリジナルの館は1903年に焼失してしまったが、その後は第二帝政時代の建物を大きく復元し、堂々たる外観は周辺のランドマークにもなっている。ビアリッツはヨーロッパの王室や上流社会の静養先として選ばれた華やかな歴史があり、ホテルはその中心として1世紀以上にわたりビアリッツの繁栄と栄光を担って来た。2016年現在、フランスには23軒のパラス・ホテルが認定されているが、ホテル デュ パレは2011年5月のフランス観光庁より認定された最初の8軒の「PALACE」(うち4軒はパリ)の一つである栄誉に輝いている。
ビアリッツは、スペインにも近い交通の要所であり、多彩な文化の十字路である大西洋岸フレンチバスク地方の中心都市である。観光地としてもリゾート地としても世界的に有名なビアリッツは、ヨーロッパの王室や上流社会の静養先として選ばれた華やかな歴史があり、その美しいビーチや文化遺産などで知られている。また、サンチャゴ・デ・コンポステーラに向かう“巡礼の道”のピレネー山脈越えの起点でもある。
開業当時の家具や調度品で飾られた120室の客室と30室のスイートは、ホテルの庭園やプール、浜辺に面している。今回はトップスイート“皇后エリザベート”を紹介したい。オーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の皇后は愛称が“シシー”なので「Imperatrice Sissi」と命名され、付帯した広大なテラスから大西洋の大海原が望める。ヘッドシェフJean-Marie Gautier氏が腕を振るうダイニングは、優雅なヴィラ・ウジェニー「Villa Eugénie」と海を眺める円形オーバルのラ・ロトンド「La Rotonde」があり、総称して“皇后”を意味する「L'Impératrice」の名称を使っている。スパ施設「Imperial Spa」は 5階建て3000㎡の広さを誇るもので、「Guerlain」とコラボレーションしたトリートメントは勿論、優雅なプールや専用のラウンジ「Le Salon Eugénie」でゆったりと寛げる。
ゴージャスなバスルーム
テラスから俯瞰するスイミングプールとビアリッツの街並み