世界最大の瀑布イグアスの滝は、ブラジルとアルゼンチンの国境に接している。ベルモンド ダス カタラタス「Belmond Hotel Das Cataratas」はイグアス国立公園内ブラジル側にある唯一のホテルで、ポルトガル・コロニアル様式の建物は優美で印象的だ。熱帯雨林のジャングルに建つ歴史的ホテルは、迫力溢れるイグアスの滝が目前に迫る抜群のロケーションを誇る。ホテルの庭園前から始まる遊歩道は良く整備され、宿泊ゲストはほんの数十分足を運ぶだけで壮大なイグアス滝のハイライト“悪魔の喉笛”に到達できる。また、国立公園の閉園後から翌朝の開園まで、一般観光客の去った後の静寂の時間にゲストの特典として散策が可能である。
イグアスの滝は先住民の言葉で“大いなる水”「Y Guazú」を意味し、北米のナイアガラの滝、アフリカのヴィクトリアの滝と並び、世界三大瀑布に数えられている。それぞれの滝に魅力があるが、スケールの大きさ、ダイナミックな迫力は他の二つの瀑布とはケタが違う。イグアスの滝は大小275の滝があり、最大落差約80メートル、滝幅はなんと約4キロもある。
ホテルの名称である“カタラタス”とは「滝」を意味し、1958年に竣工した。2007年からOrient-Express Hotels社によりリノベーションが始められ、14年からBelmond Ltdに経営が引き継がれている。淡いピンクに彩色されたホテルはスイートを含む全193室を擁し、モノトーンの樹林帯に美しく溶け込んでいる。今回はイグアスの滝を部屋から望む「Junior Cataratas Suite」をご紹介したい。約40㎡の広さで“Cataratas”の文字通り、バルコニーから轟音が迫る滝を俯瞰するJr.スイートだ。レストラン「Itaipu Restaurant」はディナー専用のシグネチャーダイニングで、優雅な雰囲気の中、フレンチベースのブラジル料理を堪能できる。カジュアルダイニング「Ipe Grill」はスイミングプールに面した戸建ての庭園レストランで、地元食材のビュフェスタイルが人気だ。スパ施設「Cataratas Spa」はスパスイート2室を含む全5室のトリートメントルームを持つ癒やしの空間である。
今回、ホテル側からカシャーサ「Cachaça」のテイスティングに招待された。カシャーサとは、サトウキビを原料として作られるブラジル原産の蒸留酒であり、ポルトガル統治時代からの民族酒である。ホテルとしては初の試みで、単にテイスティングのみならず、チーフソムリエ氏がカシャーサの歴史を解説し、メインバー「Bar Taroba」の一角を占有して特別な講義形式で歓待していただいた。