国際ホテルジャーナリスト 小原康裕が訪れる世界のリーディングホテル

Four Seasons Resort Bali at Sayan

 

聖なるアユン川渓谷に佇み、バリ島中部のとした密林と美しい水田に囲まれている。

 
 バリ島・ウブドにあるフォーシーズンズリゾート アット サヤン「Four Seasons Resort Bali at Sayan」(以下、FS/S)は聖なるアユン川渓谷に佇み、バリ島中部のとした密林と 美しい水田に囲まれている。芸術の中心地であるウブドの村や多くのヒンズー寺院、文化史跡も近くにあり、緑に包まれた地上の楽園といっても過言ではないだろう。送迎のリムジンを降りてからレセプションフロアまでのアプローチは期待感を持たせたユニークなものだ。チェックポイントから清流の峡谷を眼下に吊り橋を渡ると、メイン棟の屋上にある円盤状のテラスに到達する。周囲は空中に浮かんだような蓮池があり、テラス中央にある階段を下りると、ジャングルの渓谷が絵画のように広がるロビーフロアに辿り着くドラマチックな演出だ。
 

 
 FS/Sのデザインは英国の建築デザイナー、ジョン・ヘア氏が率いる「Heah and Co」が担当し、お椀の形をしたメイン棟と直線の吊り橋は、茶碗の上に置かれた箸をモチーフにしているといわれる。メイン棟の空間レイアウトは非常に凝ったものだ。屋上は蓮池テラス、階下にロビー&バーラウンジ、その下はメインダイニング、またその下はジャグジーが張り出したスパとなり、お椀状の建物は渓谷に佇む大自然との一体感を風が抜けるオープンエアで表現している。


 
 広大な敷地内には18のメイン棟スイートと42のヴィラタイプの客室が点在し、心身の 安らぎを得るには格好の場所と言える。今回はヴィラタイプの「One-Bedroom Villa」をご紹介したい。アウトドアスペースを含めて約350㎡の広さを持ち、専用のプライベートプールを備えたな一戸建てだ。メインダイニング「Ayung Terrace」は美しい渓流を眺めながら、インドネシアの郷土料理を楽しめる。そのほか、アユン川沿いのプールサイドレストラン「Riverside Cafe」、チーク材のデッキから渓谷を一望する開放感あふれるラウンジ「Jati Bar」など多彩だ。スパ施設「Spa at Four Seasons Resort Bali at Sayan」はヴィラ側にもあるが、メイン棟のジャングルと一体となったジャグジーバスは心地よくお勧めである。
 


 
 FS/Sの広大な敷地内にはライステラス(棚田)やハーブガーデンがあり、ハーブはレストランやスパのオイルにも使われている。実際に棚田では農作業も行われており、裸足で水田の中に入り鍬を持って土を耕すといった“田植え体験”のアクティビティもある。ここは、ビジネスの多忙な時間を忘れ、自然のパワーを通して安らぎと静寂を得る貴重なリゾートと言えよう。


ゲストが送迎のリムジンを降りるチェックポイント。レセプションまでのアプローチは期待感を持たせたユニークなものだ

チェックポイントから清流の峡谷を眼下に吊り橋を渡ると、メイン棟の屋上にある円盤状のテラスに到達する

18室あるのメイン棟のスイート客室のコリドー。デザインは英国の建築デザイナー、ジョン・ヘア氏が率いる「Heah and Co」が担当

屋上テラスからロビー&バーラウンジ、そしてメインダイニングと続くスタイリッシュな空間デザイン

屋上テラスから下へと続く階段を下りると、ジャングルの渓谷が絵画のように広がるロビー&バーラウンジフロアに辿り着く

フォーマルにセッティングされたメインダイニング「Ayung Terrace」のディナー風景

メイン棟側にあるスパ施設「Spa at Four Seasons Resort Bali at Sayan」のトリートメントルーム

ジャングルの風景と一体となったジャグジーバスは心地よくお勧めである

アユン川沿いにあるスイミングプール。ライステラスを意識した棚田スタイルがユニークだ

広大なホテル敷地には所々に休み処の“ガゼボ”が用意され瞑想するのも良い

天蓋付きのキングベッドからプールのあるアウトドアスペース方向を望む

瀟洒なヴィラ専用のプライベートプール

アウトドアスペースに用意されたリビングルーム

十分な広さを確保したゴージャスなバスルーム。木製のルーバーを開けばビューバスタイプになる