国際ホテルジャーナリスト 小原康裕が訪れる世界のリーディングホテル

The Lalu, Sun Moon Lake

 

ザ・ラルー 涵碧樓の目の前には形容しがたい美しい湖が広がる。

 
 ザ・ラルー 涵碧樓「The Lalu, Sun Moon Lake」は、かつてAMANのセカンドライン、GHMグループによって運営されていた台湾屈指のリゾートホテルである。担当した建築デザイナーは、多くのアマンリゾートを手掛けるケリー・ヒルというだけあり、その空間レイアウトは台湾とは思えないスタイリッシュなデザイン構成だ。ザ・ラルー 涵碧樓の目の前には形容しがたい美しい湖が広がる。この湖の中央付近にあるラルー島「拉魯島」を境として、東側が丸く太陽の形に、西側が三日月形で月に見えるとされ、“日月潭“ 「Sun Moon Lake」と名付けられた。

 
 ザ・ラルー 涵碧樓の立地する場所は、台湾前総統蒋介石の別荘として使用され、台湾を訪問してきた外国の元首や首相を招待する場所であった。ホテルはその旧別荘跡地に建設されたもので、隣接して蒋介石総統の生涯記録を集めた「涵碧樓記念館」が建てられている。多くの貴重な展示品やパネル写真で当時の様子が垣間見られるので、是非立ち寄って欲しい場所だ。その後、この地に世界レベルのリゾートホテル建設の機運が生まれ、2002年、ザ・ラルー 涵碧樓は念願であった台湾屈指のラグジュアリーホテルとしてオープンした。


 
 ザ・ラルー 涵碧樓の96室はオールスイートタイプの構成で、そのほか専用プールが付いたヴィラタイプの「Courtyard Villa」も用意している。エントランスホールは8階の最上階にあり、各客室へは階下に降りていくスタイルだ。今回は「One-bedroom Lakeview Suite」をご紹介したい。約100㎡のナチュラル志向の部屋で、床、壁など全体に木のぬくもりが感じられる。窓を開け、広いバルコニーから湖と山のコントラストが美しい景観を満喫できる。レストランは充実しており、日月潭を眺めながら食事をできる中華メインダイニング「湖光軒」、朝食メニューが豊富なカジュアルレストラン「Oriental Brasserie」のほか、和食堂、茶藝館スタイルのティーハウスを用意している。スパ施設「The Lalu Spa」は別棟にあり、見事な絶景が望めるトリートメントルームや日本式浴室も満足できる。


 
 日月潭は台湾屈指の景勝地として知られ、日本で例えれば箱根か軽井沢といった感じだ。ホテル周辺には遊歩道が整備され、蒋介石総統を記念したパビリオン「蒋公凉亭」も再建された。湖には多くの観光船が就航しており、船で対岸に渡ると湖水を見渡すロープウェイからも風情を楽しめる。アマンリゾートの面影が残るザ・ラルー涵碧樓は、一味違う台湾の休日を約束してくれるであろう。


涵碧樓「The Lalu」と書かれたホテル案内板

蒋介石総統の生涯記録を集めた「涵碧樓記念館」。ホテルは総統の旧別荘跡地に建設された

「涵碧樓記念館」の館内。多くの貴重な展示品やパネル写真で当時の様子が垣間見られる

最上階、ロビーラウンジの先はオープンエアの展望テラスになっている

プールサイドから望む美しい風景。まさに湖水とプールの水面が一体となった一幅の絵画を見るようだ

8階の最上階にあるエントランスホール。客室へは階下に降りていくスタイルだ

スタイリッシュなレセプションデスク。日本語を話すスタッフも待機している

スパ施設「The Lalu Spa」は別棟にあり、トリートメントルームからも見事な絶景が望める

ゆったりとした時間が流れるライブラリーラウンジ

ランチは日月潭を眺めながら、ディナーはフルセッティングのテーブルで食事を堪能できる中華メインダイニング「湖光軒」

朝食メニューが豊富なカジュアルレストラン「Oriental Brasserie」

バスルームからベッドルーム方向。ドアを全開すればバスタブから美しい景観を満喫できる

レイクビュースイートのリビングルーム。約100㎡のナチュラル志向のスイートで、床、壁など全体に木のぬくもりが感じられる

窓を開け広いバルコニーから、日月潭の湖と山のコントラストの美しい景観が広がる