国際ホテルジャーナリスト 小原康裕が訪れる世界のリーディングホテル

Belmond Miraflores Park
 

クスコ・マチュピチュ遺跡の前後泊に滞在しているクラブフロアのゲストたちが集う。

 
 ベルモンド ミラフローレス パーク「Belmond Miraflores Park」は、最高級ホテルやクルーズを手掛けるベルモンド「Belmond Ltd」のペルーでの旗艦ホテルである。首都リマの高級住宅街ミラフローレス パークの地名をホテル名に掲げたとおり、崖上に広がる緑の公園に囲まれた立地ゆえ海岸の眺望はすこぶる良好だ。特筆すべきは、屋上テラスから望む太平洋の圧倒的な景観であろう。スイミングプールやデッキチェア、スパ施設もあり、南半球のペルーから眺める太平洋の遥か先に、北半球の日本があると思うと感慨深いものだ。とくに太平洋に沈みゆく夕日の景観は形容しがたい美しさである。


 
 リマはペルーの首都で、近郊を含む都市圏人口は1000万人を超える南米でも屈指の大都会で、クスコ・マチュピチュ観光の拠点となる都市だ。リマは1535年にインカ帝国を征服したスペイン人のフランシスコ・ピサロによって築かれた。リマの名前の由来は市内を流れるリマック川(Río Rimacが訛ったもの)に由来すると言われ、市内はセントロ地区の旧市街とミラフローレス地区などの新市街に大別される。貧富の差が大きいリマは治安の悪い旧市街から多くのホテルが撤退し、グローバルな高級ホテルの多くはミラフローレス地区に集まっている。


 
 ミラフローレス パークは12階建てのエレガントなホテルで1996年にスイートを含む全89室を擁してオープンした。今回は約45㎡の広さを持つ「Ocean View Club Deluxe Junior Suite」を紹介したい。大きく張り出した窓ガラスに太平洋の美しい海の景色が映り、クラブラウンジへのアクセスが付いたJr. スイートだ。メインダイニング「Tragaluz Restaurant」は気品ある雰囲気のインターナショナル料理で、オープンエアのセッティングも楽しめる。他方、屋上にある「The Observatory Restaurant」は絶景の太平洋を望むテラスレストランだ。ここにはスパ施設「Zest Spa」もあり、マッサージ後のクールダウンにテラスでカクテルを飲みながら夕日を眺めるのも一興だ。グランドホールには英国調の落ち着いたバー「Belo Bar」とアフタヌーンティーで人気の「Library Corner」も賑わっている。


 
 10階に用意されたクラブラウンジはゴージャスなセッティングでフード・ドリンクサービスなどゆったりと寛げる。面白いのは、クスコ・マチュピチュ遺跡の前後泊に滞在しているクラブフロアのゲストたちが集い、貴重な情報収集ができる。ミラフローレス パークはクスコの姉妹ホテル「Belmond Hotel Monasterio」(本誌連載、Vol.207参照)、マチュピチュ行きの豪華列車「Hiram Bingham」号などを利用するペルー観光の基地として利用価値は高い。


エントランスホールにある美しい曲線を描くステアケース

アフタヌーンティーで人気の「Library Corner」

屋上テラスにあるスイミングプールから望む太平洋の圧倒的な景観。南半球のペルーから眺める太平洋の遥か先に、北半球の日本があると思うと感慨深いものだ

屋上にある「The Observatory Restaurant」のテラス席は絶景の太平洋を望める

メインダイニング「Tragaluz Restaurant」のレセプションデスクと背後にあるテラス席

グランドホール奥にある英国調の落ち着いたバー「Belo Bar」

メインダイニング「Tragaluz Restaurant」は気品ある雰囲気の中、インターナショナル料理や地元ペルーの食材を使った伝統メニューも楽しめる

10階に用意されたクラブラウンジはゴージャスなセッティングでフード・ドリンクサービスなどゆったりと寛げる

屋上にある「The Observatory Restaurant」のブレックファスト風景

大きく張り出した窓ガラスから太平洋の壮大な大海原の景色を堪能できる

清潔感あふれるツインシンクのバスルーム

スパ施設「Zest Spa」のレセプションデスク

スパ施設「Zest Spa」のトリートメントルーム。マッサージ後にカクテルのサービスがあり、テラスで飲みながら夕日を眺めるのも一興だ

中庭を取り囲むインカ時代の趣ある回廊