カワースパーク「Coworth Park」は欧米で最高級ホテルグループを展開する“Dorchester Collection“によって運営され、その最新のメンバーホテルとして英国・アスコットに誕生した。アスコットはウィンザー城に近く、イギリスだけではなく世界中の競馬界と社交界の一大イベントとして有名な「ロイヤルアスコット」の本拠地である。オリジナルの建物である“Coworth House”は1776年まで遡り、幾多の変遷を経て2008年にホテルとしての改修に着手。2010年9月にドーチェスターコレクションの8番目のプロパティとしてラグジュアリーホテルをオープンした。
カワースパークはバークシャーの広大な森林公園にあるカントリーハウス的なリゾートだ。ジョージ王朝様式の邸宅である白亜の本館は「Mansion House」の名称を持ち、背後に広大な樹林の敷地を有している。また、かつて馬小屋だった建物群を贅沢に改造した「Stable Cottage」も興味深い。ホテル全体の施設は240エーカー以上あり、スイミングプールを含む豪華なスパ施設を始め、独自の広大なポロ競技場を持つ英国で唯一のホテルとしても有名だ。そのほか、本格的な乗馬場、30頭を擁す馬小屋、ヘリコプターパッドなど充実した陣容を誇る。
Mansion Houseのゲストルームは30のスイートを含む全70室の構成で、館内にある年代物の家具や調度品の多くは英国製で職人技の伝統を感じさせる。今回は歴代のオーナーの名を冠した六つのスイートである“Mansion House Executive Suite“のうち、初代オーナーのWilliam Shepheardから名付けた「Shepheard Suite」をご案内したい。いかにも英国カントリースタイルの部屋で、木の枝を模した華やかな四柱式のキングベッドや鮮やかな銅板製の独立したバスタブが印象的で、窓からは広大な森林ガーデンを望める。ミシュラン1ツ星のメインダイニング「Restaurant Coworth Park」は、天井から下がるオークの葉をモチーフにしたシャンデリアが映えるエレガントな空間だ。庭園を望む「Drawing Room」は気品あるラウンジで、英国伝統のアフタヌーンティーを堪能できる。
Mansion Houseから少し歩いた距離に前述した馬小屋に新たな生命を宿したコテージ群の「Stable Cottage」が40室が並び、付帯した地元料理ダイニングの「The Barn」がカジュアルスタイルで好評だ。スパ施設「The Spa at Coworth Park」は、八つのトリートメントルームとヘルシーレストラン「Spatisserie」を用意し、Mansion Houseから離れた森の中に閑静な姿で佇んでいる。カワースパークはバークシャーの樹林帯の中、自然と一体となった英国伝統の優雅な宿泊施設と言える。