“アムステルダムの王宮”とたたえられ、運河に面して建つ「De L’Europe Amsterdam」の姿は、さながらグリム童話に出てくる中世の城のように優雅な佇まいだ。ヴィクトリアン様式によるロマンティックな外観は、クラシックな街並みが続くアムステルダムでもひときわ目を引くランドマーク的存在である。それ故に、長崎のハウステンボスのシンボルホテルとして人気のある「Hotel Europe」は、実はこのホテルを忠実に模して建設されたものである。屈指の名門ホテルでもあるため、アムステルダム名物の運河クルーズ船に乗り、ホテルを通過する際は必ず“名所”として案内されるくらいだ。
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ド リューロープは1896年にホテルが建設された当初から存在する本館「Rondeel Building」と、元銀行であったビルを改装した「Dutch Masters Wing」のスイートルーム棟から構成されている。2010年には大規模な改装が行なわれ、時代を超える大胆なデザインと最先端の快適さが見事に融合された。歴史的建物の外観とコンテンポラリーデザインの館内との対比に驚かされることであろう。各部屋はそれぞれ異なる意匠が施され、レンブラントなどオランダの巨匠たちの絵画の精緻なレプリカが飾られている。
ド リューロープは、スイートを含め全111室の個性豊かな客室を用意している。正面エントランスは極めて控えめであるが、一歩館内に入るとまばゆいシャンデリアと巨匠たちの絵画が壁を飾る華麗なロビーラウンジ「Promenade」に目を奪われる。筆者にアサインされた部屋は「Junior Suite」のカテゴリーで、斬新なブティックホテルの趣だ。メインダイニング「Bord'Eau」はミシュラン2ツ星を獲得した本格的フランス料理で評価が高い。その他ブラッスリースタイルの「Hoofdstad Brasserie」と運河に沿ってテラス「Hèt Terras」を用意している。メインバー「Freddy's Bar」はHeineken社のCEOであったFreddy Heineken氏の名を冠したオリジナルバーである。スパ施設「Skins Institute - De L'Europe」はLHWのリーディング・スパ賞を受賞し、運河の見えるスイミングプールが魅力だ。

ド リューロープはハウステンボスの基本理念“オランダの美しい街並みを共有する”をまさに具現化したようなホテルだ。去年メディアに発表された“一生に一度は泊まりたい厳選ホテル15選”に名を連ねて話題を集めた。これは非日常の空間にある超豪華なホテルや一度は泊まってみたい夢ホテルを編さんしたものだが、まさにメルヘンの世界に引き込まれる要素を秘めた夢のホテルと言えよう。